Jasminespice 日記

Internationalな教育、しつけ、子育て

英語教育は、コミュニケーションが大切

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子どもに英語を習わせる目的はなんですか?

早いうちに学習し始めたほうが習得しやすいから
小さい頃のほうが耳が慣れやすく発音が良くなるらしい
英語を話せると何かと便利
学校の授業に遅れないように
なんとなく、、、

いろいろな理由がありますが、漠然としたものが多い気がします。英語を話せることで、どんな大人に成長してもらいたいのか、目的をまず定めることが大切です。

英語学習の目的を決めよう

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英語学習の目的は、人それぞれ。私の場合は、「様々な人ときちんとコミュニケーションが取れること」

きちんとコミュニケーション、とは、私なりには以下のように定義しています。

  • 様々な国の文化を尊重できる
  • 異なる考え方や思考回路を尊重できる
  • 自分の意見を的確に相手に伝えられる
  • 相手の意見を受け入れることができる
  • 建設的なディスカッションができる

フランスで生活している女性のお話で、「お肉を焼いたフライパンを、汚れが取りやすくなるように水につけておいたら、旦那さんがMais NON!(ダメだよ!)と激怒した」ということがありました。

女性側:洗い物のことなんて何もわからないくせに、いきなり文句言ってきてなんなの?!

男性側:肉のグレービーが一番おいしいからバターとワインを追加してソースにするべきなのに、なんで洗っちゃうんだ?!

という考え方の違いが背景にあった、というお話です。

こういったことは、どんな場面でも起こりえると思います。その際に必要になるのが、相手の文化的・宗教的な習慣や価値観を理解しているか、それを尊重しているか、ということ。

言葉を学ぶということは、その文化も理解することです。様々な国の文化を理解し、それを尊重したコミュニケーションをとることができる人になって欲しいと考えています。

思考の土台の言語はひとつに決める

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言葉は単なるツールです。言葉を発するためには頭の中で思考し、思考をまとめる作業ができている必要があります。この思考ルートがきちんとできていないと、うまく会話ができなくなってしまいます。

うちのインドパパは、家族や地元の友人とはテルグ語、学校は小学校から英語の学校だったので英語を使い、ムンバイで仕事を始めてからヒンディー語を勉強し、日本に来てから日本語も習得した、という思いっきりチャンポンな人です。それが原因かはわかりませんが、とりあえず相手の言うことを否定する形式のコミュニケーションがメインです。きっと彼の思考言語は母語のテルグ語だったのが、故郷を離れてずっと話さないので母語を忘れてしまい、今はもっぱら英語しか話さないので、頭の中がこんがらがってるんじゃないかなと思っています。

言語は、思考の手段であり、文化を表現するものです。伝達する手段ではありません。英語教育に通わせて、A is for Appleと覚えて来ればいいというものじゃないんですね。リンゴを見て、赤いな、おいしそうだな、冬になったな、ということを考える軸としての言語が身に付くようにしたいものです。ものの見方や考え方を身に着ける枠組みとして、思考言語をきちんと身に着ける環境をつけてあげましょう。

結論を言うと、思考言語は何語でも問題ないと思います。お父さんとお母さんの母語で、その言語を使ってお子さんとたくさんコミュニケーションが取れるものであれば、日本語でも英語でもなんでもいいと思っています。チャンポンになって軸の言語がなく、中途半端になると、会話だけでなく思考も中途半端になってしまうので注意が必要です。

脳科学者の黒川伊保子さんの著書「母脳 母と子のための脳科学」では、日本語は科学技術に強い脳を作る構造を持つ言語だと書かれています。なので、黒川さんは息子さんを理系が得意にするために日本語中心で日本語脳を育て、英語教育は12歳からにしたそうです。思考言語を理系に強い日本語にするように軸を置いたのですね。

中途半端にならないように

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日本語が母語のご家庭で、お子さんに英語を学ばせるときに気を付けるべきなのが、「混ぜない」こと。

newsweekの記事で以下のような指摘がありました。

「これはappleよ」と日本語と英語を混ぜて教えたり、「This is an apple、これはりんごよ」と英語を日本語に翻訳して教えることは、子どもを混乱させるのでNG.

例えば、英語の本を読んでいるときは全部英語で統一する、英単語だけでなく文章すべてを英語で会話する、など、ルールを決めるといいと思います。

また、デジタル英語漬けという問題もあります。子供に英語のビデオを見せれば、音声がついていてきれいな発音が身に付き、お母さん的にはタブレットを見ておいてくれれば助かる、という利点もあります。しかし、小さなお子さんの場合、絵本ではなく映像ばかり見ることによって、想像力(=思考力)が発達しないというでデメリットがあるのです。できれば読み聞かせなどの言語のシャワーで、英語に慣れ親しんでもらいたいですね。

大人が積極的に話しかけることが大切

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親からたくさん話しかけられた子供は、言語の習得が早くなると言われています。英語教育のために英会話教室に通わせるだけで満足せずに、大人が積極的に話しかけるのが効果的です。英語で長く会話ができなくても、英語の絵本を一緒に読むところからスタートしませんか?そこから、徐々に英語で会話をする機会を増やしていきましょう。

コミュニケーションで気を付けるのは、欧米のコミュニケーションスタイルを用いることです。日本語の会話は、行間を読む・察する、ことを重視します。欧米のスタイルでは、双方の意見を伝え、違いを明確化して、ロジカルに議論する、という流れを取ります。これができるようになるために、「どうしてそう思ったか?」「どうしたらいいと思うか?」といった問いかけを心が得ると良いでしょう。

最後に

あなたのお子さんに英語を習わせる目的は見つかっていますか?英語はコミュニケーションをとるためのものです。そのためには、教材を与えるだけ、教室に通うだけ、ではなくて、大人も積極的に英語で会話する機会を作る、英語のコミュニケーションの時間を作るのが近道だと思っています。